税務・簿記

経理の基礎知識

経理とは

経理とは、お金を管理することです。会社のあらゆる事業活動を「円」で表し、請求書や領収書を発行したり、帳簿に記入したりしていきます。そして、帳簿に記入することを“簿記”といいます。簿記を学習しておくことに越したことはありませんが、最近の会計ソフトは簿記の知識が無くても比較的簡単に入力作業ができるものもあります。簿記を勉強したことが無くても、少しずつ慣れていけば良いかと思います。

帳簿の種類

帳簿には様々なものがあります。仕訳帳や総勘定元帳をはじめ、現金出納帳や預金出納帳、売掛金元帳や買掛金元帳、売上帳や仕入帳、固定資産台帳など、たくさんの種類があります。複式簿記の場合、仕訳帳と総勘定元帳は必須となりますが、それ以外の帳簿は必要に応じて利用することになります。

決算書

帳簿をもとに、通常は年1回、決算書を作成します。決算書には、今どれぐらいの財産や借金があるかを表した「貸借対照表」や、この1年にどれぐらい儲かったかを表した「損益計算書」などがあります。決算書は、銀行や取引先に提出したり、今後の事業計画を検討する上で参考にしたりします。なお、個人事業者の場合には暦年の1月1日から12月31日、法人事業者の場合にはその法人が定めた任意の1年間を一会計期間として、決算書を作成します。

資金繰り表

上記の帳簿や決算書以外に「資金繰り表」があります。現金や預金の収入と支出を管理するものです。儲かっているからといって、それに見合うお金があるとは限りません。例えば、大きな売上が計上されて儲かっていても、集金が完了しなければお金はありません。また、借金を返済してお金が出ていっても、儲けは減りません。このように、儲けと現預金の残高は必ずしも連動しません。よって、手元の資金がショートしないよう管理するためにも、資金繰り表は非常に重要です。

税 金

申告と納税

税金を計算するための確定申告書は、決算書をもとに作成します。個人事業者の場合は翌年2月16日から3月15日までの期間内に、法人事業者の場合は一会計期間の最終日である決算日から2ヶ月以内に、それぞれ確定申告書を税務署に提出します。なお、税金も確定申告書の提出期限までに納めることになります。もし、期限を過ぎてしまうと、延滞税や加算税が生じますので、期限内に提出と納付を終えるようにしましょう。

税金の種類

納める税金には、国税と地方税があります。

<個人事業者の場合>
・国 税・・・所得税(2037年までは復興特別所得税を含む)
・地方税・・・個人住民税(道府県民税及び市町村民税)、個人事業税

<法人事業者の場合>
・国 税・・・法人税、地方法人税
・地方税・・・法人事業税、法人県民税、法人市民税

個人事業者は、所得税の確定申告書を税務署に提出すれば、同時に個人住民税と個人事業税の確定申告も行ったものとみなされます。よって、県や市等にあらためて申告書を提出する必要はありません。
一方で法人事業者は、法人税と地方法人税は税務署へ、法人事業税と法人県民税は都道府県へ、法人市民税は市町村へ確定申告書をそれぞれ提出する必要があります。

また、上記以外で決算時に確定申告が必要なものが消費税です。原則として、個人事業者であれば前々年、法人事業者であれば前々期の課税売上高(消費税が課される売上高)が1000万円を超えると、消費税の納税義務が発生します。事業を始めた当初は、消費税の納税義務がないことが一般的ですが、いつから消費税の納税義務が発生するのかを把握しておくことは非常に重要です。

青色申告

個人事業者にも法人事業者にも、青色申告制度があります。青色申告制度とは、一定のルールに基づいた簿記によって帳簿を作成し、その帳簿とともに請求書や領収書等を保存しておくことを条件に、損失の繰越しや特別償却などの税制上の特典を受けることができる制度です。ただし、事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を提出しておかなければなりませんので注意が必要です。